海外参加者への対応はできていますか?
PyCon JP 2025 座長 @nishimotz が個人として公開する日報です。
PyCon JP 2025 は9月26日〜28日に広島国際会議場で開催されます。最終日は開発スプリントです。
はじめに
今日は海外からの参加者対応について。
まず、海外から日本の国際会議に参加することのハードルについて、予備知識のない方にも分かりやすく説明したいと思います。
海外参加者が直面するハードル
PyCon JP 2025まであと1ヶ月半ほど。この時期になると、海外から参加される方々は具体的な準備に追われていることでしょう。しかし、ここでいくつかの壁にぶつかることが多いのです。
まず、情報の壁があります。日本語での発信が多いため、重要な締切や変更情報が英語圏の参加者に適切なタイミングで届いていない場合があります。時差の関係で、日本時間での重要なお知らせを見逃してしまうこともあります。
そして、事務手続きの壁。ビザ申請のための招聘状が必要な方にとって、その入手プロセスが不明確だと大きな不安になります。また、宿泊先の確保も、英語対応の可否や立地の適切さを判断するのは想像以上に労力がかかるものです。
さらに複雑なのは、多くの海外参加者がプロポーザルの採択を前提として参加を決めることです。採択結果を待ってから航空券や宿泊先を手配するため、時間的な余裕が少なくなってしまいます。
特に精神的な負担が大きいのが、航空券やイベント参加費の支払いです。クレジットカードでの決済を試みても、海外からの決済だと失敗することがあります。決済エラーが発生すると、締切が迫る中で別の支払い手段を探さなければならず、大きなストレスになります。
そして、困ったときの相談先が不明確なことも大きなストレスです。英語での問い合わせに対する返答が遅れたり、適切でなかったりすると、参加への意欲そのものが削がれてしまいます。
これらのハードルがあることを踏まえ、最近いくつかの気づきがありました。
まず、公式ブログで英語発信していても、それだけでは不十分だということ。特に締切のある重要な情報は、メールやSNSなど複数の手段で確実に届ける必要がある。「ブログに書いたから大丈夫」では、海外の方には届かないと痛感しました。
さらに、英語でのお問い合わせへの対応も課題があることがわかりました。適切に反応できていないケースが複数ありました。これは本当に申し訳なく思っています。すでに困難を抱えてしまった方々がいることを認識しており、心からお詫びしたいと思います。
この状況を主催メンバーのSlackで共有したところ、日本は連休中にもかかわらず、すぐに動いてくれるメンバーがいました。今まさに、どんな問い合わせにどう対応してきたか、事実関係を調査してもらっています。そして、どうすれば改善できるか、何ができるかを検討してもらっています。
単に既存の担当分野での改善だけでなく、それぞれの担当を越えた横断的な対応策も模索しています。問題の根本的な解決には、組織全体での連携が不可欠だと考えているからです。
実は座長になった時から「マニュアルにないことをやるのが座長の仕事」と腹をくくっていました。まさに今がその時だと思っています。
「あつまれ Python のピース」というテーマを掲げた以上、言語や地域の壁で誰かが取り残されることがあってはいけない。基本的なことですが、実現するのは簡単じゃない。でも、だからこそやりがいがある。
海外から参加を検討されている方、何か困ったことがあれば遠慮なくお知らせください。私たちはまだ改善の途中ですが、皆さんの声を真摯に受け止めて、より良いカンファレンスを作っていきます。
今こそ、座長として頑張る時だと思っています。
更新履歴
- 2025-08-10: 初稿作成