PyCon JP 2025 座長の日報 ホームに戻る

主催メンバーの多様性に合わせた活動方法を改めて提案

2025年07月05日

PyCon JP 2025 座長 @nishimotz が個人として公開する日報です。

PyCon JP 2025 は9月26日〜28日に広島国際会議場で開催されます。最終日は開発スプリントです。

公式サイト 2025.pycon.jp が公開されました!

はじめに

以前の記事「座長は仕事を可視化して、メンバーにはぎ取ってもらうのが仕事」では、理想的な委譲のあり方について書きました。メンバーが主体的に仕事を「はぎ取る」という理想的なモデルを描きました。

しかし、現実の組織運営では、すべての主催メンバーがそのようにプロアクティブに動けるわけではありません。主催メンバー勉強会を構想するで触れた「2-6-2の法則」は、チーム活動の現実を表しています:

この記事では、それぞれの立場の方に向けて、より現実的な委譲システムについて説明します。あなたの立場に応じたセクションをお読みください。

積極的メンバー(2割)の皆さんへ

あなたは組織の推進力です。座長が可視化した仕事を積極的に「はぎ取る」役割を担っています。

あなたの役割と責任

主要な役割

段階的委譲システムでの位置づけ: あなたは第1段階の委譲を担う重要な存在です。座長から直接すべてのメンバーに仕事を委譲するのは現実的ではないため、まずあなたが座長から仕事を「引き剥がし」、それをチーム内で適切に配分する役割を担います。

注意すべきポイント

具体的なアクション

タスクの分解と配分

コミュニケーションの実践

時間制約下での意思決定

成長と学習の機会

状況対応メンバー(6割)の皆さんへ

あなたは組織の安定した基盤です。指示があれば確実にこなす能力を持っています。

あなたの強みと価値

核となる強み

段階的委譲システムでの位置づけ: あなたは第2段階の委譲を受ける中心的存在です。リーダーやサブリーダーから適切に仕事を割り当てられ、明確な指示のもとで確実に成果を出す役割を担います。

効果的な参加方法

指示の受け方

サポート体制の活用

自分のペースでの貢献

成長のヒント

主体性の発揮

コミュニケーションの改善

支援を受ける方法

早期発見システムの活用: 座長チームは各メンバーの参加度や貢献度を定期的に確認しています。モチベーション低下や孤立の兆候があれば早期に発見し、以下の支援を提供します:

慎重メンバー(2割)の皆さんへ

あなたの慎重さは組織にとって貴重な資質です。サポートがあれば大きな力を発揮できます。

あなたの価値と貢献

独特の価値

段階的委譲システムでの位置づけ: あなたは第3段階の個別サポートと成長支援を受ける対象です。より丁寧なサポートを通じて、段階的に参加し、小さな成功体験から始めることができます。

参加しやすい方法

段階的な参加

個別サポートの活用

サポートの受け方

早期相談の重要性

原因別の支援策: 意欲があるのにうまく活動できない場合、以下の原因と支援策があります:

スキルの問題

環境の問題

コミュニケーションの問題

役割の問題

組織からの見守り

座長チームは現在、主催メンバー一人ひとりがうまく活動できているかどうかに関心を持って全体を見守っています:

早期発見システム

介入とサポート

リーダー・サブリーダーの皆さんへ

あなたは段階的委譲システムの要です。人と人、チームとチームをつなぎ、人の活動を支援する重要な役割を担っています。

あなたの役割と期待

基本的な役割: 以前の記事で述べたように、リーダー・サブリーダーは「連絡係」的な役割で、交替も可能です。ただし、ここで重要なのは、自分が手を動かす人である必要はないが、人と人、チームとチームをつなぎ、人の活動を支援するという役割です。

以下を期待したいです

段階的委譲システムでの責任

第1段階:座長からの委譲受け

第2段階:チームメンバーへの委譲: 状況対応メンバー(6割)に対して:

第3段階:個別サポートの提供: 慎重メンバー(2割)に対して:

メンバー支援のポイント

積極的メンバー(2割)への対応

状況対応メンバー(6割)への対応

慎重メンバー(2割)への対応

必要なスキルと支援体制

必要なスキル

支援体制

意思決定の使い分け

時間制約下での効率的な意思決定のため、以下の使い分けを行ってください:

迅速決断型

全員納得型

ロゴ決定プロセスの事例: 最近のロゴ決定では、時間をかけて担当チームを超えた議論が行われました:

組織停滞防止の責任

「わからないから何もしない」状況への対処: 全員が「わからないから何もしない」という状況では、ボランティア組織で良いイベントを作ることはできません。

あなたの責任: 一時的に十分に動けないときは:

エスカレーションの判断

早期相談の重要性

エスカレーション・プロセス

  1. チームレベル:リーダー・サブリーダーによる状況把握
  2. 座長チームレベル:定期的なチーム状況の確認
  3. 緊急対応:必要に応じた即座の支援体制の構築

座長チームからの直接支援: 提案型で動ける人が一人もいない場合は:

おわりに

理想的な「仕事をはぎ取ってもらう」モデルは重要ですが、現実の組織運営では、メンバーの多様性を認識した段階的なアプローチが必要です。

2-6-2の法則を踏まえ、それぞれのメンバーが最大限に力を発揮できる環境を作ることが、座長としての重要な責務だと考えています。完璧なシステムはありませんが、継続的な改善を通じて、全員が活躍できる組織作りを目指していきます。

主催メンバーの皆さん、一人ひとりの貢献が PyCon JP 2025 を支えています。あなたの立場に関わらず、困ったことがあれば遠慮なく相談してください。私たちは皆さんの活動を全力でサポートします。

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